こんにちは。
今日から7月ですね。
1年の後半がはじまりました。
そして、今日7月1日は「半夏生(はんげしょう)」という、
ちょっと聞きなれないけれど、とても大切な節目の日でもあります。
二十四節気では「半夏生(はんげしょうず)」と読み
毎年、夏至から11日目、あるいは太陽の黄経が100度に達する日とされています。
2025年の「半夏生」は、ちょうど今日、7月1日なんです。
この日を知っているかどうかで、
夏の過ごし方が、少しだけ変わってくるかもしれません。
この花も「半夏生」
丁度今の時期に咲くので夏の使者と呼ばれています。
でも、ここからは暦の「半夏生」のお話💫
「半夏生」は、農業にとっての大切な節目の日
ちょうどこのころは、田植えを終える目安とされています。
今でこそ田んぼの風景が身近でない地域も増えましたが、
日本人の暮らしの根底には、ずっとお米とともにある時間が流れていました。
「この日までに田植えを終えないと実りが減ってしまう」
そんな教訓が、「半夏生」という言葉には込められているのです。
だからこそ、農作業を終えた人々が体を休めたり、
食べものを通して体力を補ったりする習慣も生まれました。
スーパーでタコが大量に並んでいる理由
たとえば関西地方では、「半夏生」にタコを食べる風習があります。
その理由は、
「タコの足のように稲が地にしっかり根を張りますように」
という願いが込められているから。
この風習、現代の私たちの暮らしにも通じるものがある気がしませんか?
私たちも、夏に向かうこの時期、
日々の生活に「根」を張るような意識が大切なのかもしれません。
外に出れば汗ばむ陽気、気温差に体も疲れがち。
とくに年をとるごとに、自律神経のバランスも気になりますよね。
そんなときこそ、しっかり食べて、しっかり休む。
この「食べる」「休む」が、思っている以上に大切な節目になるのです。
タコだけではなかった!
ちなみに、タコだけではありません。
讃岐地方では「半夏うどん」といって、
田植えを終えた農家の人たちが、ねぎらいと滋養のためにうどんを食べるそうです。
出典:農林水産省「にっぽん伝統食図鑑」
奈良県の一部では、「半夏生餅(はげっしょうもち)」と呼ばれる麦餅を。
労をねぎらうだけでなく、収穫を祈願する意味もあるそうです。
地域によってさまざまですが、
共通しているのは「一区切りを意識する」ということ。
そして、自然の流れとともに自分を労わる文化がある、ということ。
この日本ならではの感性に、
あらためて心がほどけるような気持ちになります。
半夏生という名前の由来
ところで、「半夏生」という名前。
なんだか少し幻想的な響きがありますよね。
実はこの言葉は、もともとは
薬草である「半夏」(カラスビシャク)が
野に顔をのぞかせるころに由来しています。
冒頭でご紹介したこの花「半夏生」(カタシログサ)も
半夏生のころに白い葉をつけることが名前の由来。
季節のの移り変わりを教えてくれます。
絶滅危惧種なので、大切にしたい植物ですね。
「半夏生」は、季節の半ば
日々の暮らしの途中にふと立ち止まりたくなるような、
そんな名前の「節目」なのです。
まとめ
1年の前半、おつかれさまでした。
忙しく駆け抜けてきた日々を思い返すと、
少し胸が熱くなるような、せつないような、
いろんな思いが湧いてきますね。
今日からの後半は、どう過ごしていきたいですか?
無理をせず、自分のリズムを大切に、
心と体にやさしい選択をしていけたらいいですね。
タコを食べるもよし。
おうどんをすすって、ひと息つくもよし。
ただ深呼吸して、空を見上げるだけでも。
半夏生という日の、
やさしい区切りに身をゆだねてみてはいかがでしょうか。
今日もお読みいただき、ありがとうございます、